音楽スタジオを作るときの作業手順を紹介する。
作業手順通りに作業すれば、誰でも音楽スタジオを作ることができる。自分で仕上げていく楽しさを共有するために作業をした写真も含めて紹介していくので、参考にしてみてほしい。
音楽スタジオを作る作業手順を確認しよう
音楽スタジオを作るときの作業手順を確認しておこう。
作業は遮音シート、ニードルフェルト、遮音シート、吸音材の順番に貼るだけなのだが、作業時間の目安も必要だと思うのであえて細かくわけておいた。
週末だけの作業で2か月みておくと余裕を持った作業ができるので、2か月計画で作業工程を作ってみよう。僕は1か月で完成させているけど、平日も作業していているので週末だけなら2か月みておこう。
音楽スタジオを作る全工程(確認作業を含む15工程)
- 音楽スタジオを作るのに必要な工具を注文する
- 音楽スタジオを作るのに必要な防音材料を注文する
- 吸音材を復元する
- 作業開始前に壁紙を掃除する
- マスキングテープを貼る
- 両面テープを貼る
- 遮音シートを貼る
- 外から音漏れを確認する
- 両面テープを貼る
- ニードルフェルトを貼る
- 両面テープを貼る
- 遮音シートを貼る
- 両面テープを貼る
- 吸音材を貼る
- 外から音漏れを確認する
音楽スタジオを作るときには、作業手順通りに進めるのが失敗しないコツだ。
プロの業者が作業手順通りに進めるように、DIYであっても作業手順通りに進めることを意識しよう。
作業手順でポイントになるのは、音漏れの確認だ。遮音シートを貼り付けたあとの音漏れ確認をしておくことで、音漏れ対策をしやすくなるので手を抜かず確認作業をしてほしい。
音楽スタジオを作る作業時間の目安(合計13日)
- マスキングテープを貼る(1日)
- 両面テープを貼る(1日)
- 遮音シートを貼る(2日)※2層にする場合は2日 x 2回貼りの4日間
- ニードルフェルトを貼る(2日)
- 遮音シートを貼る(1日)
- 吸音材を貼る(4日)
音楽スタジオを作るときは、できるだけシンプルに考えるようにするのが音楽スタジオ作りを最後までやり遂げるコツだ。
遮音シートを貼り付ける工程は、重量物の貼り付けになるため、大変だと思えば手が止まってしまう。できるだけ作業手順を明確にし、順調に進んでいると思えるように作業手順を見える化しておこう。
作業時間の目安は事前段取り次第で短縮できるので、段取りよく作業をすすめるコツも紹介しておきたいと思う。
音楽スタジオ作りの作業手順1:必要なものをそろえる
音楽スタジオ作りを効率よく進めるために、買わないといけないものを整理して注文しよう。
工具や材料の注文漏れがあると作業が中断してしまうので、音楽スタジオの寸法を見ながら防音材料の発注数量を計算することが重要だ。
目安の注文量を書いた記事を参考に注文していこう。
実際に僕が使用した数量を書いているので、同じぐらいの広さの音楽スタジオを作るなら同じ量を発注しておけば問題なく作れるはず。
僕は作業中に材料が足らなくなって再注文したり、足らない材料をホームセンターに買いにいくことになったので、少し多めに注文しておくと安心だ。
音楽スタジオ作りに必要な工具
音楽スタジオを作るときに必要な工具についてはこちら>>音楽スタジオの作り方~必要な工具を揃えよう~
音楽スタジオ作りに必要な防音材料
音楽スタジオを作るときに必要な防音材料はこちら>>音楽スタジオの作り方~防音室に必要な防音材料まとめ~
音楽スタジオ作りの作業手順2:下準備をする
音楽スタジオを段取りよく作るコツは、下準備に時間をかけること。
下準備で手を抜いてしまうと作業をやりなおすことになるので、しっかりと時間をかけて下準備しておこう。
音楽スタジオの作業手順(下準備1:吸音材を復元しておく)
吸音材はものによっては圧縮されて送られてくる。袋から出して置いておくと復元するので、先に開けて元も形状に復元させておこう。
吸音材が届いたときの形状
復元するために袋から出して置いておくと元の形状になる
吸音材は、開封したときにある程度復元するが日にちをおかないと完全には復元しない。吸音材を貼り付ける1週間前ぐらいに袋から出しておこう。
ニードルフェルトは、早くに袋から出してしまうと埃っぽくなるのでぎりぎりまで袋に入れて保管しておこう。
音楽スタジオの作業手順(下準備2:マスキングテープを貼る)
音楽スタジオの作業手順で、思っている以上に時間がかかるのがマスキングテープを貼る工程。
上手く貼るコツは、マスキングテープを貼る前に壁をきれいにふいておくこと。実際、きれいに見える壁もふいたら汚れている。しっかりと汚れをとって乾かしてからマスキングテープを貼ることをおすすめする。
テープを貼る感覚は、遮音シートの幅から内側に5mmぐらいのところに貼るようにしておこう。幅方向には5mm~10mm遮音シートを重ねて貼っていくので左図の中心部分を二重にしているところがポイントだ。
音楽スタジオの作業手順(下準備3:両面テープを貼る)
両面テープを貼る工程は、広いサイズのマスキングテープを貼っていれば楽な作業になる。
マスキングテープの上にどんどん貼っていこう。天井からは少し離した場所に貼っておくと、タッカーを打ちやすい。基本的にマスキングテープの上に貼っていくだけなので、とくに難しい工程ではない。
音楽スタジオ作りの作業手順3:遮音シートを貼る
遮音シートを貼るときは、凹凸のない貼りやすい面から貼っていこう。
遮音シートの余りを使って、コンセントまわりなどを仕上げていく。全面を貼り終わった段階で注文した遮音シートの半分が残っているかも確認しておこう。
音楽スタジオ作りの作業手順4:外から音漏れの確認をする
遮音シートを貼り終わったら、音楽スタジオを閉め切って声を出してみよう。
遮音シートの効果で音が室内で反響するはずだ。エコーを強くかけたときのように音が反響するのを確認したら、遮音シートの効果が出ているので、今度は外で音漏れチェックをしよう。
外で音漏れチェックを1人でする場合は、オーディオの音量を上げていき、どの音量で音が漏れるのかを確認する。音楽スタジオで使う楽器を想定して、ベースを弾くなら低音を強めにしてオーディオを流すとわかりやすい。
音漏れしたオーディオの音量をメモしておくことを忘れずに。
遮音シートを貼ったら使用しないときに換気をすることも忘れずに
遮音シートを貼ったら使わないときに換気をするようにしてほしい。
部屋を閉め切っているとゴムの臭いが充満する。完成してしばらく使用していると臭いも消えてくるので、遮音シートの工程から完成した後も換気をする習慣をつけておこう。
音楽スタジオの作業手順5:ニードルフェルトを貼る
ニードルフェルトをカットするときはダンボールを切るはさみか、生地を切るはさみを使おう。
ニードルフェルトはまっすぐ切るのが難しいので、あまり神経質にならずある程度の大きさで切って貼り合わせていこう。遮音シート側に両面テープを貼り、ニードルフェルトをくっつけていく感じで貼るとうまくいく。
ニードルフェルトを貼り終わったら、声を出してみよう。遮音シートのときに音が反響していたものが、乾いた音に変わっているはずだ。
音楽スタジオの作業手順6:遮音シートを貼る
再び遮音シートを貼る工程だが、1回目の音漏れチェックで求めている防音レベルに近い場合は、遮音シートを吸音材の寸法でカットして貼っていく方法でもよい。
もし、1回目の音漏れが理想とはほど遠い場合は、遮音シートを1回目に貼ったときと同じようにシートとシートの間を貼っていくようにする。
2回目の遮音シートは、両面テープだけでなく必ずタッカーを打つようにしたい。1回目より多く打つようにして一定間隔で打てるだけ打っておこう。
僕は、約7畳の音楽スタジオを作るのに、2回目の遮音シートまでで合計2200本以上のタッカーを打っている。重い遮音シートを固定するために、せまい間隔で打っている。タッカーの芯の本数はあった方がいい。
音楽スタジオの作業手順7:外から音漏れを確認する
2回目の遮音シートを貼ったら、先ほどの音漏れした音量でオーディオを流し音漏れチェックをする。ある程度納得のいく状態だった場合は、吸音材を貼る仕上げ工程に進もう。
もし、音漏れが納得できないレベルの場合は、さらにニードルフェルトと遮音シートを貼っていく方法もあるが、壁が分厚くなっているので、間にベニヤ板をかましてから層を重ねていくようにしたい。
音楽スタジオの作業手順8:吸音材を貼る
いよいよ最終工程は、2層目の遮音シートの上に吸音材を貼っていく。凹凸がきれいな吸音材は、縦横と交互に貼っていこう。
貼るときのコツは、250mm x 250mmが入らない場所はあとで調整するつもりで、貼れるところからきれいに貼っていくこと。
250mm x 250mmの吸音材をそのまま貼れるところにすべて貼ってから、余った吸音材を山ごとに切ってすき間をうめていくときれいに仕上がる。
ただ、音が反響させたい場合は、一部遮音シートで残しておくことも考えたい。音を出してみながら反射する角度も考慮すること。吸音材の工程が最後になるので、納得がいくまで調整をしておこう。
貼りにくいところはニードルフェルトのまま残しておいて、最後に遮音シートを重ねていく。
音楽スタジオ(防音室)作りは時間的な余裕をもって計画を立てること
音楽スタジオの作業手順通りに進めれば、防音レベルの高い音楽スタジオを作ることができる。
僕も1か月ほど音楽スタジオ作りに励んだが、出来上がったときの感動は、作業の大変さなんて忘れてしまうほどだ。
音楽スタジオ作りを成功させるポイントは、時間的に余裕をもって作業をすること。
限られた時間でばたばたと作るのではなく、半日など、ある程度まとまった時間をつかって作業をすることが重要だ。そして、工程が完了するごとに必ず休憩することを忘れずに。
集中しすぎるとあっという間に時間も過ぎていくので、しっかりと休憩をとりながら作業を進めるようにしてほしい。