40代。世間一般では「働き盛り」や「落ち着くべき年齢」と称される。
社会的な責任は増し、家庭や職場での役割に縛られ、かつての青臭い夢や衝動は「若気の至り」として心の奥底に封印されるのが常だ。
しかし、本当にそれでいいのだろうか。
『40代の宣戦布告(War of The 40s)』は、そんな停滞した日常に風穴を開ける一曲。
疾走感溢れるポップパンクのビートに乗せて、「終わったと決めつける社会」、そして自分自身に対して真っ向から牙を剥く。
かずまぶらっくとして「むき出しの衝動」を表現している『40代の宣戦布告(War of The 40s)』の魅力を紹介。
【まとめ】楽曲のリストはこちら>>かずまぶらっくのむき出しの衝動が鳴り響くパンクロックの世界
歌詞|40代の宣戦布告|かずまぶらっく
- 曲名:40代の宣戦布告(War of The 40s)
- アーティスト:かずまぶらっく
- ジャンル:ポップパンク
<Aメロ>
また同じ改札
ため息で始まる朝
スーツの群れに埋もれたまま
心だけスケボーで爆走
<Bメロ>
「落ち着け」とかうるせぇよ
落ち着いたら腐るだけ
締め切りよりヤバいもの
胸の奥で暴れてる
<Cメロ>
40代の宣戦布告
終わったとか 誰が決めた?
消えきれないこの衝動
まだ歯向かうための鼓動
40代の宣戦布告
丸くなれ? 笑わせんなよ
退屈な日常 蹴り飛ばして
今をぶち壊すだけだ
<Aメロ>
会議室の冷えた空気
「はい、いいですね」で流すアイデア
飲み会の愚痴と説教
そんなもんで夢は埋められねぇ
<Bメロ>
守るものは増えたけど
守りたいのは自分だろ
「大人になれ」って鎖より
バカみたいな本音選ぶ
<Cメロ>
40代の宣戦布告
終わったとか 誰が決めた?
消えきれないこの衝動
まだ歯向かうための鼓動
40代の宣戦布告
丸くなれ? 笑わせんなよ
退屈な日常 蹴り飛ばして
今をぶち壊すだけだ
<Dメロ>
給料明細 握りつぶして
終電間際 走り出して
まだ終われない まだ言えない
「これでいい」なんて言えない
<Cメロ>
40代の宣戦布告
終わったとか 誰が決めた?
消えきれないこの衝動
まだ歯向かうための鼓動
40代の宣戦布告
丸くなれ? 笑わせんなよ
退屈な日常 蹴り飛ばして
今をぶち壊すだけだ
【まとめ】楽曲のリストはこちら>>かずまぶらっくのむき出しの衝動が鳴り響くパンクロックの世界
『40代の宣戦布告』|歌詞が描き出す現実と叫び|かずまぶらっく

- 閉塞感の打破:Aメロ・Bメロのリアリズム
- 宣戦布告の核心:Cメロ(サビ)の爆発
- 妥協への拒絶:Dメロの切実さ
『40代の宣戦布告』には、「飾らない、美化されない」40代のリアルが詰まっている。歌詞の構成に沿ってかずまぶらっくの楽曲『40代の宣戦布告』の解説をしていく。
閉塞感の打破|Aメロ・Bメロのリアリズム
冒頭のAメロで描かれるのは、あまりにもありふれた、そして重苦しい朝の風景だ。
「また同じ改札 ため息で始まる朝 スーツの群れに埋もれたまま」
この一節だけで、現代社会を生きる多くの大人たちの姿が浮かび上がる。個性を消し、群れの一部として機能することを強いられる日々。しかし、ここで終われない。
「心だけスケボーで爆走」
この対比表現は、体と心の対比だ。
肉体は満員電車の中にありながら、精神はかつてのパンクロックやストリートカルチャーが持っていた自由奔放さを失っていない。
Bメロでは、周囲からの「落ち着け」という同調圧力を「うるせぇよ」と一蹴する。
落ち着くことは、40代の戦士にとって「腐る」ことと同義なのだ。締め切りよりもヤバいものは、抑えきれない自己表現への渇望であり、胸の奥で暴れている様子を歌で表現している。
宣戦布告の核心|Cメロ(サビ)の爆発
サビで繰り返されるフレーズは、まさに中年世代の代弁だ。
「40代の宣戦布告 終わったとか 誰が決めた?」
「40代=人生の折り返し、守りに入る時期」という固定観念に対する痛烈なカウンターである。
「丸くなれ? 笑わせんなよ」という言葉からは、成熟という名の下に牙を抜かれることへの強い拒絶。
退屈な日常を「蹴り飛ばす」という物理的な躍動感を伴う表現が、ポップパンクというジャンルの持つ攻撃性とシンクロさせている。
妥協への拒絶|Dメロの切実さ
曲の終盤、Dメロで描写される光景はさらに生々しい。
「給料明細 握りつぶして、終電間際 走り出して」
生活のために働く自分と、表現者としての自分が激しく衝突する瞬間だ。給料明細は安定の象徴であり、自由を縛る鎖でもある。
安定の象徴を握りつぶし、終電に向かって走る姿には、情けなさの中にある気高さが宿っている。
「これでいいなんて言えない」という一言は、あきらめを知った大人たちにとって、もっとも突き刺さる言葉になるはずだ。
『40代の宣戦布告』の5つの魅力|かずまぶらっく

- 徹底した「等身大」の視点
- ポップパンクという「衝動」の選択
- 社会的レッテルへのアンチテーゼ
- 言葉の鋭さとリズム感
- 「まだ終われない」という希望の提示
かずまぶらっくの『40代の宣戦布告』の魅力を5つのポイントで解説する。
徹底した「等身大」の視点
パンクロックは本来、弱者の叫びであり、抑圧された者の武器である。
かずまぶらっくの作品は、自分を大きく見せようとしない等身大の歌詞と歌が根底にある。
スーツを着て、会議に出席し、愚痴や説教にさらされる。そんな「どこにでもいる40代」の視点から歌うからこそ、その言葉には嘘がなく、強力な説得力を生み出している。
ポップパンクという「衝動」の選択
『40代の宣戦布告』のジャンルは、90年代から00年代にかけて世界を席巻したポップパンクである。
明るくキャッチーなメロディの中に、切なさと反逆心を同居させるこのスタイルは、今、40代を迎えた世代が青春時代に多大な影響を受けた音楽体験と直結している。
懐古主義ではなく、あの頃の初期衝動を「今」の武器として使いこなしているのだ。
社会的レッテルへのアンチテーゼ
「40代」という言葉からイメージされる「安定」「落ち着き」「分別」といった言葉。
『40代の宣戦布告』は、40代のイメージをすべて「退屈な日常」として否定する。
年齢を理由に情熱を枯らすことをよしとしない姿勢は、同じ世代のみならず、将来に不安を感じる若い世代にとっても、一筋の光になるはずだ。
言葉の鋭さとリズム感
歌詞の一句一句が、メロディのリズムに乗って心地よく刺さる。
「丸くなれ」「蹴り飛ばして」「ぶち壊す」といった強い動詞の使い方が、聴き手に鮮明なイメージを植え付ける。
単なる歌唱ではなく、言葉を叩きつけるようなエネルギッシュなボーカルが、楽曲のテーマをさらに強調している。
「まだ終われない」という希望の提示
『40代の宣戦布告』は決して、現状への不満をぶちまけるだけの「愚痴」ではない。
根底にあるのは、「まだ行ける」「まだ変われる」という強い自己肯定と希望である。
「まだ歯向かうための鼓動」という歌詞がある通り、「生きている限り反逆はできる」というメッセージが、聴き終わった後の爽快感につながっている。
【まとめ】楽曲のリストはこちら>>かずまぶらっくのむき出しの衝動が鳴り響くパンクロックの世界
【まとめ】40代の宣戦布告|かずまぶらっくの「むき出しの衝動」が鳴り響く世界

『40代の宣戦布告』は、感情をストレートに表現した作品。
かずまぶらっくが描くパンクロックの世界は、洗練された芸術性よりも、ドロドロとした感情や、整理のつかない情熱を優先させる。
『40代の宣戦布告』というタイトルが示す通り、自分を型にはめようとする社会に対して、そして、妥協しようとする自分自身に対して宣戦布告をしているのだ。
多くの人は、年齢を重ねるごとに「正解」を探そうとする。波風を立てず、周囲と調和し、平穏に過ごすことが正解だと教え込まれる。
しかし、かずまぶらっくは叫ぶ。「そんなもんで夢は埋められねぇ」と。かずまぶらっくの魂の叫びは、大人たちが忘れかけていた「バカみたいな本音」を呼び覚ます。
『40代の宣戦布告』を聴く時、大人たちは一瞬だけ「40代の社会人」という仮面を脱ぎ捨てることができる。
そして、胸の奥で暴れている「ヤバいもの」を再確認するのだ。
胸の奥で暴れているヤバいものは、かつてのスケボーかもしれないし、深夜に聴いたレコードかもしれない。あるいは、誰にも言えずに温めてきた無謀な野心かもしれない。
人生は一度きりだ。40代を「終わりの始まり」にするか、「新たな反撃の狼煙」にするかは、自分次第である。
『40代の宣戦布告』は、立ち止まりそうになった背中を強烈な力で押し出してくれる。
もし、日々の生活に息苦しさを感じているのなら。 もし、自分の本音を鎖で繋いでしまっているのなら。 迷わず『40代の宣戦布告』を再生してほしい。
あなたと同じように戦い、叫び、走り続ける一人の男の魂が鳴り響いている。
『40代の宣戦布告』の衝撃は、必ずやあなたの日常を「ぶち壊し」、新しい「今」を創り出す原動力となる。
【まとめ】楽曲のリストはこちら>>かずまぶらっくのむき出しの衝動が鳴り響くパンクロックの世界


