バンドマンにとって、自分だけのプライベートスタジオを持つことは大きな夢のひとつです。
学生時代に熱中してバンドをしていた人も、社会人になると仕事や日々の生活に追われ、スタジオに足を運ぶ時間すらなくなって音楽から離れてしまいがちです。
そういう私も、限られた時間の中で大好きな音楽を妥協なく続けるために、自宅にプライベートスタジオを作ったひとりです。
実際に完成して使い始めてからは、「なんでもっと早く作らなかったんだろう」と心の底から思ったほど、スタジオのあるライフスタイルは快適そのものです。
「いつかは自宅にスタジオがほしい」「防音部屋を作って思いきり音を出したい」と考えているあなたに向けて、私が実際に予算を抑えながら理想の空間を形にした『プライベートスタジオを作る5つの手順』をご紹介します。
DIYで作る手順はこちら>>【まとめ】音楽スタジオの作り方
プライベートスタジオを作る5つの手順

- プライベートスタジオを作る目的を明確にする
- プライベートスタジオを作る予算を決める
- プライベートスタジオを作る部屋を決める
- 防音に必要な建材(遮音シート・吸音材)を個人でそろえる
- 手順通りに壁や窓をDIYで防音施工していく
自宅に自分だけの音楽空間を作るとなると、どこから手をつければいいのか迷ってしまうものです。
しかし、あらかじめ全体の流れを把握しておくことで、予算を大幅に抑えながら理想の防音部屋を形にすることができます。
ここからは、私が実際に自宅にプライベートスタジオを作ったときの実体験をもとに、失敗しないための5つの具体的なステップを順番に解説していきます。
手順1|プライベートスタジオを作る目的を明確にする

一番最初にすることは、プライベートスタジオを作る目的を明確にすることです。
なぜ、最初に目的を明確にする必要があるかというと、プライベートスタジオや防音室を作るといっても、広さや防音レベルによってもプライベートスタジオを作る費用が全く変わってくるからです。
騒音レベル(参考)
- ドラム|110~120db
- ピアノ|90~100db
- ボーカル|100~100db
防音は、建物自体の防音もあるためドラムを使うために110dBカットをする必要はありません。
建物自体の防音は、鉄筋一戸建て、木造一戸建て、マンション、アパートによっても違うので、あなたの住宅環境とプライベートスタジオの使用目的にあわせて目標する防音レベルを決めましょう。
ドラムは音が大きく騒音レベルも高いため、かなりの防音をする必要があります。意外にも、ボーカルはドラムに近い騒音レベルになるので注意したいところです。
四六時中歌を歌いたい場合は、防音レベルを上げておきましょう。
防音レベル(参考)
- Dr65(65dbカット)|夜間まで楽器の演奏をしたい
- Dr70(70dbカット)|バンドの演奏をするスタジオ
- Dr75(75dbカット)|レコーディングスタジオ
今度は防音レベルの目安を書いておくので参考にしてみよう。
たとえば、日中にピアノを弾く程度であれば防音レベルはDr35〜(35dBカット)ぐらいを目標にしておくとよいです。
手順2|プライベートスタジオを作る予算を決める

プライベートスタジオを作る目的と目標の防音レベルを決めたらざっくりと予算を決めましょう。プライベートスタジオを作るときに重要なのは予算と防音する目標とのバランスです。
プライベートスタジオが広くなればなるほど値段も高くなり、防音レベルを上げれば上げるほど値段も高くなります。限られた予算を、広さに使うのか、防音レベルを上げることに使うのかは重要なポイントになります。
プライベートスタジオの目安予算
- DIY(~5万円)
- 簡易防音室(~20万円)
- 1.5畳の設置するボックス型防音室(~80万円)※新品目安
- 8畳ぐらいの部屋の設置するボックス型防音室(~300万)※新品目安
- 一部屋を防音室にリフォームする(別途相談)
プライベートスタジオの予算の目安を書いておくので参考にしてみてください。もちろん、防音レベルによっても値段は変わってくるので目安程度にしてほしいです。
部屋の中にボックス型防音室を設置する方法で価格を抑えたいなら、中古のボックス型防音室を探すのもひとつです。うまく在庫を見つけることができれば費用を抑えることができます。
私の場合は、業者さんが作った遮音重視の防音部屋をDIYで遮音・吸音性能を高めて目標の防音レベルを実現しています。
業者さんには防音室のベースをお願いして、DIYで仕上げていくのもプライベートスタジオを作る楽しみ方のひとつです。
手順3|プライベートスタジオを作る部屋を決める

プライベートスタジオを作るときに、作る場所によってかかる費用は変わります。
できるだけ目標に近い防音レベルを達成しながらも費用を抑えることを意識しましょう。プライベートスタジオにする部屋の場所をどこにするのかが費用を抑えるポイントになります。
プライベートスタジオを作るのに適している場所
- 鉄筋コンクリート造一戸建て>木造一戸建て
- マンション>アパート
- 地下室>1階>2階
- 隣の家との距離がある>隣の家との距離が近い
プラベートスタジオを作る部屋を決めるときのポイント
- 距離をあけること
- できるだけ2階以上に作らない
プライベートスタジオを作るときに費用を抑えるポイントは、家の外までの距離の確保と遮音性能を上げるための重量を意識してみましょう。
距離をあけること
防音レベルを上げるとき一番有効なのは距離です。
防音レベルを上げれば上げるほど費用は上がります。外への音漏れを気にする場合は、隣の家と隣接している部屋より、真ん中の部屋に防音室を作るなど工夫をすれば、価格を抑えることができます。
できるだけ2階以上に作らない
プライベートスタジオを作るならできるだけ2階以上に作らないようにしましょう。
もし、2階以上にプライベートスタジオを作るのなら振動による騒音に注意しよう。とくに、ピアノやドラムのフットペダルの振動は階下に伝わりやすいので注意が必要です。
もし、あなたが一戸建てに住んでいるなら、できるだけ1階にプライベートスタジオを作りたいです。マンションの場合は、階下への音の対策はしっかりしておきましょう。
閑静な住宅街だと外への音漏れを心配する必要がありますが、騒がしい住宅街だと音漏れの心配はましになります。
しかし、プライベートスタジオの場合は、外への音漏れ以外にも、外からの騒音を遮断することも必要になります。
たとえば、レコーディングをすることを想定しているなら、外の騒音をプライベートスタジオに入れない対策も重要になります。
手順4|防音に必要な建材(遮音シート・吸音材)を個人でそろえる

プライベートスタジオの設置場所と予算が決まったら、次はDIY防音に必要となる具体的な建材を手配していきましょう。
業者にスタジオのリフォーム工事を丸ごと依頼すると、人件費や専門的な施工費だけで数十万円から数百万円の費用があっという間に飛んでいってしまいます。
しかし、必要な材料を自分でネット通販などを駆使して個別に揃えることができれば、材料費だけで済むため圧倒的にコストを抑えることができます。
DIYで本格的な防音部屋を作るために絶対に欠かせない基本の建材は、大きくわけて遮音シートと吸音材の2つです。
遮音シートは音を跳ね返して外へ漏れるのを防ぐためのもので、重量のあるゴム製のシートなどが一般的です。吸音材は音を吸収して室内の響きを抑えるためのもので、グラスウールやウレタンフォームといった素材がよく使われます。
まずは自分の目指す防音レベルに合わせて、これらの建材がどれくらい必要なのかを計算し、不足がないようにまとめて注文しておきましょう。
私は、遮音は専門業者に依頼し、そこから遮音と吸音の施工を行いました。
手順5|手順通りに壁や窓をDIYで防音施工していく

必要な防音建材が自宅にそろったら、いよいよ自分の手を動かして壁や窓、床といった音漏れの原因になりやすい場所をDIYで施工していきましよう。
DIYで仕上げていくときの最大のコツは、一気にすべてを終わらせようとせず、まずは音漏れが一番激しい場所から順番に対策をして、その都度防音レベルの効果を確認していくことです。
私の場合は、まず部屋の大部分を占める壁面に遮音シートを隙間なく敷き詰め、その上から吸音材を貼り付けていきました。
さらに、音が最も外に漏れやすい原因となる窓やドアの隙間に対しても、専用の防音パネルや隙間テープを使って徹底的に気密性を高める施工を行いました。
業者に依頼をせず、自分の手で一つひとつの作業を積み重ねていくことで、費用を最小限に抑えながらも、自分だけの秘密基地のようなプライベートスタジオが少しずつ完成していく過程を心から楽しむことができます。
まとめ|予算を抑えてプライベートスタジオをDIYで作る

いくつかのステップを踏む必要がありますが、プライベートスタジオをDIYで作ることは、大人のバンドマンやクリエイターにとって最高にエキサイティングで価値のある挑戦です。
高額なリフォーム費用を業者に支払わなくても、正しい知識と手順さえ知っていれば、誰でも自宅のひと部屋を理想の防音部屋へと生まれ変わらせることができます。
自分好みの内装に仕上げ、時間帯を一切気にせずに思いきり楽器を演奏したり歌を歌ったりできる環境が手に入れば、これからの音楽ライフは間違いなく何倍も豊かなものになります。
設置場所の寸法や目標の防音レベルをしっかりと確認したら、まずは必要な材料を調べるところからスタートしてみましょう。
「具体的にどうやって壁に遮音シートを貼ればいいのか」「窓の防音対策はどうやるのか」といった、さらにくわしい実際の作業手順や必要な工具については、まとめ記事で写真付きで解説しています。
業者に頼らず、完全DIYだけで理想のスタジオを完成させたいと考えている方は、ぜひこちらの記事をバイブルとして参考にしながら作業を進めてみてください。
防音(遮音と吸音)のDIY手順まとめ→【まとめ】音楽スタジオの作り方


