僕が影響を受けた、個性溢れる3人のボーカルを紹介する。
セックス・ピストルズのジョン・ライドン(ジョニー・ロットン)、ザ・ダムドのデイヴ・ヴァニアン、そして、オルタナティブの一時代を築いたニルヴァーナのカート・コバーンの3人だ。
オルタナティブ、パンクと言われるジャンルのボーカルたち。僕の中では、ぶっ飛んだロックンロールを歌うボーカルだと思っている。
彼らは、歌だけでなく生き様もロックンロール。今の音楽界にも影響を与えているボーカル3人を知らない人は、ぜひ聴いてみよう。
なぜロックンロールのボーカルで紹介するの?
世間では、パンクやオルタナティブと言われているジャンルのボーカルたち。
パンクもオルタナティブも僕の中ではロックンロール。ロックボーカルは、ロックンロール魂があるかが重要だ。魂がないロックンロールを歌うならポップシンガーでいいだろう。今から紹介する3人には、ロックンロール魂がある。
ザ・ダムドは、ロンドン三大パンクバンドのひとつ。
実は、セックス・ピストルズよりも先に音源を販売した初期パンクバンド。ザ・ダムドは当時、高速ロックンロールと言われていた。パンクという名前ができるまで、初期パンクは高速ロックンロールと言われていたのだ。
ザ・ダムドについてさらにくわしく知るならこちら>>高速ロックンロールの原点THE DAMNED(ザ・ダムド)のライブアルバム
ロックンロールの流行に関係なく色あせない3人のボーカル
ロックンロールが形を変えていく今も色あせない3人のボーカル。
大人になってからは、ブルースにも興味を持ちブルースロックも聴くようになった。昔より、幅が広がってロックンロールの原点に近づいていく感じがする。
一旦違うジャンルを聴いたことで、今回の3人のすごさに気づいたのである。
3人は、メッセージ性が強くインパクトのあるボーカル。アーティストの中でも、強い個性を持つボーカルたち。
カート・コバーン
アメリカのミュージシャン。Nirvana(ニルヴァーナ)のギターボーカル。
代表曲はSmells Like Teen Spirit(スメルス・ライク・ティーン・スピリット)
ニルヴァーナを一躍有名にした楽曲は『Smells Like Teen Spirit(スメルス・ライク・ティーン・スピリット)』。アルバム『ネヴァーマインド』は、ジャケットにインパクトがあり、強い個性を見事に表現している。
個人的には、アルバム『ブリーチ』がニルヴァーナらしく好き。
カート・コバーンのボーカルとしての魅力
何より、スマートで男前なカート・コバーン。
容姿もさることながら、カート・コバーンの演奏スタイルは他の追随を許さない。カート・コバーンを知らない人がライブの映像を観たら衝撃を受けるだろう。
僕が好きな映像は、『ニルヴァーナ・ボックス』についているDVD。ニルヴァーナ・ボックスには、壁に向かって歌うカート・コバーンが収録されている。
吐き捨てるような魂の叫びと言えば、カート・コバーン。
ジョン・ライドン(ニックネーム:ジョニー・ロットン)
イギリスのミュージシャン。
ロンドン・パンクの3大パンク・バンドの1つ、セックス・ピストルズのボーカル。ジョンライドンは、ピストルズ解散後にパブリック・イメージ・リミテッドを結成。
代表曲はアナーキー・イン・ザ・U.K.
ジョン・ライドンの代表曲は、『アナーキー・イン・ザ・U.K.』と『ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン』。アルバム『勝手にしやがれ!!』に収録されている。
個人的には、『拝啓EMI殿』が好き。ロックンロール魂を持っているボーカルと言えば、ジョン・ライドン。ロンドンパンクと言えば、ジョン・ライドンのセックス・ピストルズ。
ジョン・ライドンのボーカリストとしての魅力
セックス・ピストルズといえば、ベースのシド・ヴィシャスが有名。椎名林檎の歌にも出てくるシド・ヴィシャスの名前を知っている人は多いだろう。
でも、僕の中では、セックス・ピストルズと言えばジョン・ライドン。
若かりし頃のジョン・ライドンのスタイルは攻撃的。 ジョン・ライドンの、メッセージの強さと歌の脱力しているけど攻撃的なスタイル。 あの脱力した巻き舌の歌い方は、他のボーカルの追随を許さない。
ジョン・ライドンのロックンロールに与えた影響は音楽だけではない。セックス・ピストルズと言えば、ヴィヴィアン・ウエストウッド。音楽とファッションと言えば、ジョン・ライドンなのだ。
破れたTシャツやアシンメトリーなデザインは、今の時代でも色褪せないかっこよさ。ロンドンパンクの音楽とファッションが、僕の心を動したのは間違いない。
ヴィヴィアン・ウエストウッドが好きなのはセックス・ピストルズの影響と言えるかもしれない。
デイヴ・ヴァニアン
名前を聞いてもピンとこない人が多いと思う。
イングランド出身のパンクバンド『The Damned(ザ・ダムド)』のボーカル。
ザ・ダムドは、ピストルズ、クラッシュと並ぶロンドン三大パンクバンド。そんなに有名なバンドなのに、バンドマンじゃなければ知らない人も多い。
代表曲はNew Rose(ニュー・ローズ)
ザ・ダムドの代表曲は『ニュー・ローズ』。
ガンズ・アンド・ローゼスがカヴァーした曲として知っている人もいると思う。
個人的には『ルッキング・アット・ユー』がおすすめの楽曲だ。はじめてザ・ダムドに興味をもったときに買うアルバムは『マシンガン・エチケット』がおすすめだ。今でも入手可能なアルバムで、ザ・ダムドの雰囲気を感じることができる。
ザ・ダムドは、メンバーを入れ替え活動を続けている。オリジナルメンバーは、ボーカルのデイブ・ヴァイニアンだけ。
僕が個人的に好きなアルバムは『ライヴ・アット・ニューキャッスル』。日本では入手困難なライブアルバム。レコード屋を探せば見つかるかも。見つけたら即買いしたい、ザ・ダムドのライブの臨場感を味わえる最高傑作。9曲目~10曲目のつなぎが最高にかっこいい!
デイヴ・ヴァニアンのボーカリストとしての魅力
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デイヴ・ヴァニアンが、日本に影響を与えたのは音楽だけではない。
日本だとヴィジュアル系の独特のメイクにも影響を与えている。日本の初期のヴィジュアル系を思わせるメイクは、デイヴ・ヴァニアンが時代を先取りしていたことを教えてくれる。デイヴ・ヴァニアンの顔立ちを際立たせるオールバック。ちょっとイカついバンドの雰囲気がある。
僕がもっとも影響を受けたのは、バンド全体のスピード感。
ザ・ダムドの突き抜けるような、音楽に負けないボーカルはデイヴ・ヴァイニアンだけ。
速さは、現在発売されているアルバムや動画ではわかりにくい。名盤『 ライヴ・アット・ニューキャッスル』を聴けば、ザ・ダムドが高速ロックンロールバンドと言われていたかわかるのだけど、かなりレアアルバムなので、なかなか見つけるのは難しい。
速く攻撃的なザ・ダムドの音源は、他の3大パンクとは全くの別物。スピードでは別格のバンドだ。
ロックンロール魂のある音楽が出てくるのを期待して
ロックンロールのボーカルで、個性が強すぎる3人を紹介した。
初期のロンドンパンクバンドからセックス・ピストルズのジョン・ライドン(ジョニー・ロットン)、ザ・ダムドのデイヴ・ヴァニアン、そして、オルタナティブの一時代を築いたニルヴァーナのカート・コバーン。
さわやかなメロディで奏でるポップ・パンクや、愛を歌うロックバンド。演奏テクニックなら、今のアーティストの方がすごいかもしれない。
進化し続けているミュージックシーンには、今も天才がたくさんいる。それでも僕には、初期のロックンロール魂の影響が色濃く残っている。
社会を否定したロック。そして、社会を否定したロックさえも否定したパンク。反抗的で芸術の原点でもある初期衝動を忘れないようにしたい。
ロックンロール魂を持った3人のアーティストの楽曲を聴いてみよう。きっと、彼らの魂の叫びに感動することだろう。